かえるの追憶

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たるたるが小5の頃まで一家で中学の敷地内にある宿直室で暮らしていました。

 

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父が中学校の住み込み用務員をしていたためです。
その建物はほどなくして取り壊され、その後は普通の長屋に移り住むことになりますが、生まれてから十余年わたしにとって世界のすべてだったこの宿直室兼自宅には非常に多くの思い出と思い入れがあります。

学校の敷地全てが庭のようなもので、とても広くて誰もいない。贅沢で寂しい子供時代でした。


家の前に水はけの悪い一帯があり、そこにはいつも水たまりがありました。
全長にして1メートル程度でしょうか。深さはまったくないいわゆる水たまりでしたが、水が干上がってしまうことはない不思議なエリアでした。


ここに、ある年の6月頃から一匹だけアマガエルが現れるようになりました。
最初に気付いたのはたぶん私。
毎日夕方4時~5時ごろになるとどこからともなくやってきて、20~30分そこで時々ケロケロと鳴き、どこへともなく帰って行きます。


いつのまにかそのカエルに会うのが日課になったわたしは、夕刻になると水たまりの前で待つようになり、カエルの方もそれが仕事であるかのように毎日欠かさず同じ時間にやってきました。
幼いわたしはカエルにケロケロと鳴き真似をしてみせ、それに応えるようにカエルもケロケロと鳴く。


そうして1ヶ月ほど経ったある日、たった1度だけ2匹で現れたことがあります。
「カノジョかな?」「きっとカノジョだね!」
父も母も嬉しそうに目を細めてそう話していましたが、翌日にはまた1匹で現れ、以降2匹で現れることはついにありませんでした。
「フラれたのかな?」「フラれたのかもね!」


7月だったか8月だったかもう忘れてしまったけど、学校のプール方面から盛大にカエルたちの鳴き声が聞こえてくる頃になるとそのアマガエルはもう現れなくなりました。
「きっと相手が見つかったんだね」「幸せになれるといいね」


来てくれなくなったのは少し寂しかったけど、ほかのカエルたちのいるところへ行ってくれたのだと思えばそれはそれで嬉しかった、ことをぼんやりと覚えています。



最近すこし流行っているスマホのアプリ「旅かえる」を先日やりはじめ、旅立つかえるを見守っていて、そんなことをふと思い出しました。

 

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そのアプリを知ったのはこの記事

 

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