子供のときって「~しちゃダメでしょ!」とか「~しないで!」とか叱られてた。
オトナになると言われないよなー。
いや、言われることは言われるんだけど、もっと表現がやわらかい。
「~しないほうがいいよ」とか「もっと~したほうがいいんじゃないかな」とか。
ハッキリ言わず遠まわし。
まあ当然なんだろな。
オトナ同士でもちゃんと言うヒトはいる。ダメ、ムリ、キライとか意思表示がハッキリクッキリしてる人。
でもマイナスの意思表示をハッキリしすぎる人って、キツイって言われちゃう。
プラスマイナスに関わらず「白黒つけた主張」をするのって、あんがい大変だ。
実際白黒なんてつけられないようなことも多いし、だからそんなどうにもならない状況に長く揉まれれば揉まれるほどヒトは曖昧な態度を身につけていくわけだ。
曖昧な態度が悪いわけじゃない。必要でそうなってるわけだし、みんながみんなきっぱりしてたら社会なんて成り立つわけない。
ただ、ただね、曖昧な態度はいろんな意味で他人を深く傷つける。
たとえばたいして好きでもないA君からとつぜん告られたとしよ。
現実ではありえないから、まあそこは大目に見てくれよ。
えーと、別に好きじゃないしお付き合いする気もないんだけど。
ここで「ごめんなさい、あなたのことは好きじゃないし好きにもなれません」と言えればスゴイがなかなか人間そうもいかん。
「ほかに好きな人がいて…」とか「キライじゃないんだけど、でもね…」とか「今は考えられないから、ちょっと待ってくれる?」とか、わりかしズルイ逃げ道はいっくらだってあるわけさ。
こういうこと言われると、A君はとーぜん期待しちゃうよな。待っちゃうよな。
だって可能性ゼロじゃないんだもん。
でもねA君、かわいそうだけどどんなに待ってもムダだよ。
それはNOを飾り紙で包んであるだけだからさ。
って、誰かA君に言ってやれ。
ここできっぱりお断りしてしまうと、その後お友達ですらいられない場合が多い。
「いいお友達でいましょ」なんてムリに決まってんだろバカ。
そうして失ってしまうのが怖いから、はっきりくっきり言えないわけだ。
もちろん置かれた環境でどうしても態度表明をはっきりできない場合もある。
これはもうしょうがない。群れの中で生きるに当たり人間関係ってヤツは避けて通れない複雑厄介なシステムだから、曖昧に濁すスキルは残念ながら必要なのは事実だが。
でもできるなら、意思表明はハッキリしたい、方。
曖昧に濁すことで、ヒトは期待するんだよ。
もしかして、あるいは、いつかは、ひょっとして。
そうしていつまでも期待を裏切られ続けて、相手は長く深く傷ついちゃう。
とはいえ、自分がA君だったらどうなんだろ、とは思うよ。
だってやっぱ、問答無用のNOはキツイもんな。
長い目で見ればそのほうがありがたいってのはわかっちゃいても、そんときのダメージは半端ないもんな。
もーちょっとこう、オブラートでも毛布でも包んでくれよ!って思うこともあるわけで。
中身一緒でも、表現の問題なんだろね。
ちなみに女性としてはあんまりハッキリしすぎてるのはいただけない気もします。
京女くらいの腹黒さを持ちたいもんだよね~(←誉めてます)。