だいぶ以前に読んで面白かった「宇宙100の大誤解」という本を紹介したい。
ニールカミンズとかいう天文系の偉いひとが、自分の受け持ってる学生さんの宇宙に関する誤解をわかりやすくご教授してあげた内容を本にして訳されたしろもの。
地球、宇宙、月や星について基本的な知識すらないわたしだが、これはなかなか面白かった。
地球が太陽にもっとも近づく時期が夏であるのか?
月や太陽が天空にあるときと沈む時の見える大きさは同じであるか?
表面温度がもっとも熱い惑星は水星であるのか?
とかの話が書かれている。
正直基礎知識がないと難解で、一読では理解しきれた気はしないが、面白がって読めたのは事実。またいずれ読み返すだろう。
だがしかし、印象に残ったのはそういった話ではなく。
日々新しい事実を発見していく天文やら宇宙やらの世界では、それまで当たり前に「常識」であったことがらを根本からひっくり返されることがある意味茶飯事である。
自分がそれまで積み立てて信じてきた理論を、それによって成り立っている権威や自信を、まったく新しい事実が証明されるごとに鮮やかに翻さねばならない。
ここからはあくまで偏った私見だが、頭のいい人ほど自論に固執する傾向がある。
当たり前だ。自分に自信があるからこそ努力を積み重ね、積み重ねてきたからこそ自信を持てる自分があるからだ。
とはいえ、そういう人は自論と異なった意見をまったく拒否するわけではない。
耳には入れるし一見柔軟な態度も見せるが、内心はびた一文揺るがない。
頑固一徹。
ソレは素敵なことだ。とても素敵なことだ。
だが頑固によって間違いを受け入れられないことは、進歩を著しく妨げる。
人が生きるうえで強固な意志は言うまでもなく必要だが、旧説を捨てられない頑固さは本人にとっても、その人が存在している環境下にとってもマイナスに働く。
そうやって凝り固まって行ってしまった頭のいい人を見るにつけ、
「あの人は頭がいいけどバカだなあ」
と思ってしまう。
いっぽう学校の勉強なんかどうだったか知らないが、世の中には異常に柔軟な人もいる。
環境適応能力が信じられないくらい高いというか、無重力下に生きているかのような身のこなし。
白も黒も赤も青もぜーんぶ受け入れて、なお何色にも染まらない。
そういう人にわたしは心から憧れるし尊敬する。
だんだん何書きたいかわからなくなってきたが。
まあそういうわけで、強固な意志を持ちつつも360度の視野とときには水の上や天井を歩けるくらいの身軽さをもって人生を歩んでいきたいって話です。
…ん?忍者の話だっけ?