純粋な善意

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子供は好きだが得意ではない。
 
感情表現が直截的すぎて、いわゆるオトナの距離感にどっぷり慣れた身にはなかなか刺激が強いからさ。
こっちの言うこともどれだけ伝わってるのか不安になるし、オトナよりある意味顔色を見ちゃう。見まくっちゃう。
その振り回される感があまり得意ではない。
 
でも好き。単純にかわいいと思うし、余計な装飾がない分ものごとの輪郭がハッキリと見えて、それゆえにドキッとさせられることもある。
いくつまでを子供という扱いにするかも賛否は分かれるところだろうが、感覚的には学生までかな。
やはり社会に出るといい意味では成長するし、悪い意味ではスレてくる。
 
 
先日Iちゃんが所用でうちに寄ってくれた際、ホワイトデーのお返しにとお菓子をくれた。
バレンタインのお買い物に一緒に行ったときわたしから兄弟にチョコレートを買ったのでそのお返し。
 

いわゆる「お返し」は通常ママが買って持たせる形式になっている、気がしたので、贈る際Iちゃんに「お返しはしないでね!」と釘を刺した。

そういう気を遣うやりとりをしたいわけじゃなくて、あくまでかわいい兄弟への純粋な好意だからさ。
 
差し出されたお菓子は抹茶のどら焼き。
薄いビニールに入ってる、スーパーのお買い上げ証明テープも貼ってある。
「(包装とかしてない)こんな状態でスミマセン、お兄ちゃんが自分のお小遣いから買うって言うもので」
 
その瞬間、比喩でもなく誇張でもなく。
どら焼きがどんな最高級お菓子より輝いて見えたよ!
 
小学生男子にとってお小遣いがどれだけ大事なことか。
欲しいものも多かろう。子供が自由に使えるお金なんてもうものすごい貴重なはずだ。
いっぺん一緒に食事しただけで、たいして交流もない馬の骨のおば…お姉さんにわざわざ身銭を切ってお菓子を買うなんて…!
どんだけいい子なのお兄ちゃん…!
 
オトナになると、モノを贈りあったりするのでもいろんな複線感情が走る。
お世話になってるから、こないだ○○してもらったから、これからも××してほしいから。
露骨な打算ってほどではなくても、多かれ少なかれいろんな感情がミックスされたものが乗ってモノが飛び交うのが普通。
 
だが子供は余計な混ぜ物がない。純度100%の善意。
 
自分自身他人との付き合いに余計なしがらみを持ち込みたくないので、そもそもしがらみの発生しそうな付き合いはしない。おかげで友達と呼べる存在は極端に少ないわけだが。
そうすると純粋な善意や好意だけで先方と付き合えるから、わたしはかなりのびのび人付き合いも出来ているほうだと思う。
こちらから打ちだす好意は基本純度は高い。
 
でも受けるほうになるといきなり懐疑的になる。
純粋な善意なんてあるわけないじゃん。多かれ少なかれ下心あるんでしょ?
っていうかそもそも純粋な善意を受けるに値するような人間じゃないしさ私。
 
 
そこへ文句なしの純度100%の善意が乗ったどら焼き。
もうね、なんか泣きそうだった、ホント。
 
 
ちなみにまだ食べてません。もったいなくて食べれずにいます。
だって知ってる?食べるとなくなっちゃうんだよ!(←定番ネタ)
 
 
 

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